大会本部長挨拶

福岡県“One Health”国際フォーラム
実行委員会 大会本部長

福岡県知事服部 誠太郎

「福岡県 “One Health” 国際フォーラム2022+FAVA」にご参加いただき、誠にありがとうございます。

本フォーラムは、COVID-19をはじめとする人獣共通感染症などに対し、各分野の世界トップクラスの研究者がワンヘルスアプローチにより解決することを目指し、「福岡宣言」がなされた福岡の地から研究成果を世界に向けて発信するため、令和2年度から開催しています。

今年度は、アジア地域で最も大規模な獣医学に関する国際会議である「アジア獣医師会連合会(FAVA)大会」と同時開催いたします。同時開催にご尽力いただきました日本獣医師会の蔵内会長をはじめ、関係者の皆さまに心から感謝申し上げます。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)、SARS、MERSなどの新興感染症の多くは人獣共通感染症であり、次の新興感染症に備えるためにも、「人の健康」、「動物の健康」、「環境の健全性」を一つのものと捉え、一体的に守っていく「ワンヘルス」の理念を実践していくことが重要です。

本県では、令和3年1月、全国初となる「福岡県ワンヘルス推進基本条例」を施行し、令和4年3月には「福岡県ワンヘルス推進行動計画」を策定しました。

この計画に基づく取り組みとして、新興感染症への対応や地球温暖化などのワンヘルスの課題に対応していくための実践拠点として「ワンヘルスセンター」の整備を進めています。センターには、人の健康や環境の保全に関する調査・研究機能を有する「県保健環境研究所」と、家畜、愛玩動物、野生動物、展示動物の保健衛生を一元的に扱う「動物保健衛生所(仮称)」を整備し、相互の連携を図ります。

また、県民をはじめ多くの皆さまが森林浴などを通じてワンヘルスを実感できる「ワンヘルスの森」の整備、ワンヘルスの理念に沿って生産された県産農林水産物の認証制度およびワンヘルスの推進を宣言する事業者の登録制度の創設など、さまざまな取り組みを進めています。

今後も、このような先進的な取り組みを進め、毎年開催している本フォーラムにおいて国内外に発信していくことにより、福岡県をワンヘルスの世界的な先進地に押し上げていきたいと考えています。皆さまのご理解、ご協力をお願いいたします。

結びに、本フォーラムを通じて、多くの皆さまのワンへルスに対する理解が一層深まり、その理念に則った行動や活動が広がることを期待いたしますとともに、ご参加の皆さまのご健勝とさらなるご活躍をお祈り申し上げます。